社会に大変革をもたらすことになるブロックチェーンは、インターネット革命以来の大革命と数年来言われ続けています。
ここで、あらためてインターネットと比較したときの位置づけを考えてみましょう。
インターネットが「情報交換のネットワーク」であったことに対し、ブロックチェーンは「価値交換のネットワーク」ということができます。ブロックチェーンは二重支払いを防止できることから、情報交換のネットワークであるインターネット上で価値を交換することができるようになったわけです。
80年代からのIT革命の中での位置づけを検討してみると、パーソナルコンピュータが登場し、情報技術の個人化が進みました。
1990年頃からwwwの萌芽があり、いよいよインターネットがはじまりました。
その後、1995年頃からインターネットが一般社会的に開放され、電子メールやウェブ検索といった情報のデジタル化が一気に進みました。2000年になると、インターネット上での電子商取引やサプライチェーンが行われるようになり、ビジネスプロセスのデジタル化が進展しました。いまから10年前、2010年以降は、スマホの登場でSNSが活発化し、一方クラウドサービスが生まれ、双方向のデジタル化が普通に行われるようになったのでした。
それをインターネット革命と呼んでいます。
では、ブロックチェーンは登場以来、どのような道筋で現在に至っているのでしょう。
数年前にIoTが登場し、すべてのものがインターネットに繋がる時代になりました。社会と産業全体のデジタル化が一層進んだと言えるでしょう。
ブロックチェーンの発明は、その同時期です。具体的には、2009年のビットコインの運用開始、やがて超ブームとも言える仮想通貨の話題と並行し、それを支える基盤技術としてのブロックチェーンが脚光を浴びることになりました。
言い換えると、ブロックチェーンはインターネット上の価値交換のネットワークです。
さらにイーサリアムの発明によって、商取引やビジネスプロセスなどのスマートコントラクト化(自律的契約化)が可能になりました。つまり、IoTによる社会と産業全体のデジタル化とともに、ビットコインなどの仮想通貨による価値のデジタル化、そしてイーサリアムによるスマートコントラクトを用いたビジネスプロセスデジタル化の一層の推進が期待されてるということです。
ブロックチェーンが期待される理由は、ブロックチェーン技術の活用分野の裾野は非常に広いと考えられているからです。
経済産業省の調べによると、金融系、ポイントサービス、資金調達、コミュニケーション、資産管理、ストレージ、認証、シェアリング、商流管理、コンテンツ、将来予測、公共、医療、IoT、それぞれの分野で、国内外でブロックチェーン技術を活用するベンチャーが勃興しました。
2020年現在、そうしたベンチャーはどうなっているでしょうか?
ブロックチェーンの使い方を考えてみましょう。
現時点では、信用に関する問題を解決する技術であり、複数のステークホルダーがいるなかで、特定の誰かを信頼の基点にすることなく、価値の保存や移転を可能にしたい、といったときに使える技術といえます。
例えば、ビジネスにおいては、参加者相互によってトランザクション(取引)を監視することで、透明性が高くなります。これはある意味で参加する人たちを全体として信頼するといえます。P2Pで中央管理者が不在ということは、言ってみれば、「信頼の分散」になるということです。
そして中央管理者がいないということは、例えば、単一の中央管理者が攻撃を受けたり故障したりしてシステムが機能しなくなる危機、つまり単一障害点がなくなるということで、「リスクの分散」を実現します。
また、分散型システムであることは、誰かひとりが大きなコストを負担することなくシステムが構築できたり、既存のプラットフォームを活用することで「コストの分散」が行えることになります。
「信頼の分散」「リスクの分散」「コストの分散」というメリットを享受できることが、ブロックチェーンを活用する意義だといえます。
念のために、取引記録台帳ということを少し解説しておきます。
ブロックチェーンは、「ブロック」と呼ばれる取引データの固まりを一定時間の間隔で作り、それを時系列に繋げて、データを台帳のように記録していく。
この「ブロック」が鎖のように繋がっていくイメージから「ブロックチェーン」と呼ばれるが、この仕組みにより、ネットワークの参加者同士がブロックチェーン上の台帳を共有して、つまり参加者それぞれが分散して管理できることから、ブロックチェーンを「分散型台帳」と呼ぶこともあるということです。
「ブロックチェーン1.0、2.0」という言い方があります。仮想通貨を「ブロックチェーン1.0」と称し、取引記録台帳としてのプロックチェーンを、広範な取引や契約管理のインフラとして「ブロックチェーン2.0」として使い分けることもあります。
私たちは、ブロックチェーン3.0を社会実装に叶う技術として定義しています。
より豊かな社会へ、誰もが幸せに暮らせる社会の実現のために。これから必要な技術であると定義します。
その技術の詳細を知ってみませんか?
・ブロックチェーンの技術的な基礎とその真価
・ブロックチェーン活用のビジネス例のこの数年の栄枯盛衰
・社会実装に向けたブロックチェーンシステム立案の勘どころ
情報学博士
1985年東北大学
大学院理学研究科卒業(数学)
NTTの基礎研究所へ入社
1991年AI研究中で理論計算機科学の分野でネットワーク信頼性に関する新理論を発表しドイツ国際会議で講演
NTT主任研究員としてAI研究 電話網設計 インターネットにおいて海外通信会社と共同研究等行う
NTT研究所ではインターネットを電話網組込開発を行い多様なサービスの発展に貢献
インターネット創世記、研究所の運営責任者を4年間行った経験からインターネットセキュリティ分野の脆弱性を追求し、サイバーセキュリティ研究を深め博士学位を取得
2015年株式会社ルミエール・ジャパンを設立し代表取締役就任
2019年一般社団法人ブロックチェーン実装格付協会設立し、理事長に就任
※ 本講座のブロックチェーン基礎知識の一部講師を努めます。
株式会社MILIMILI 代表取締役
1966年生まれ。
大学卒業後、書店店長を営みながらamazon.comの誕生を目の当たりにし衝撃を受けWebを仕事にしようと心に決める。
(株)リクルートのWeb制作に携わり、愛知県下の有名企業のWebサイト、採用サイトのプランニングから制作までをディレクター/プロデューサーとして一貫して担う。
起業ののち、制作畑出身のWebマーケティングがわかる人として、これまでに都心高級不動産、葬儀業、留学エージェント、Chatwork 株式会社のESETのマーケティング・コンサルティングなどを行ないつつ、最近は「働き方改革」支援ツールに積極的に携わりそれらのマーケティング担当を担う。オウンドメディア構築・運用支援に豊富な実績あり。
2018年に株式会社MILIMILIを設立し、ブロックチェーン活用のサービス開発に取り組む。
Webマーケティングの講師、コンサルティングも数年前から積極的に活動している。